日本近海に生息するウミヘビの種類や毒についてのまとめ

西日本、特に沖縄などでは、海で釣りをしていると水面にウミヘビが呼吸をしに浮いてくるのを見かけることがよくあります。

ウミヘビといえば危険で近寄ってはいけないようなイメージがあり、間近で見る機会も少ないですよね。

そこで今回は、あまり知られていないウミヘビの種類や毒、生態について解説していこうと思います。

釣り人なら普通の人よりも遭遇する確率は高いので、予備知識として参考にして下さいね。


ウミヘビは爬虫類と魚類の2種類がいる

 

ウミヘビ」と名前が付けられている動物には爬虫類として分類されるものと魚類として分類されるものがあり、このうち毒を持つのは爬虫類の方になります。

ウミヘビの毒がハブやマムシの数十倍強いというのは有名ですが、それは全て爬虫類として分類されているウミヘビのことを指しているんですね。

爬虫類して分類されるウミヘビはヘビ亜目コブラ科の蛇が海中に進出したもので、もちろんもあり肺呼吸をします。

魚類のウミヘビはウナギ目に分類されている魚で、もちろん毒や鱗は無く、魚のようにヒレがあり呼吸もえら呼吸になります。
以下では、毒を持つ爬虫類の方のウミヘビについて紹介していきます。

 


毒を持つウミヘビの種類(日本近海に生息するもの)

 

エラブウミヘビ

引用元

成体で体長70〜150cm程度。

体の地色は淡~濃青色で、胴体にひし形の黒斑が並びます。
魚食性でハゼやスズメダイなどの小魚を捕食します。昼夜行性ですが普段は岩場の隙間などの暗く人目に付かない場所で休んでいることも多いです。

沖縄では燻製にしてダシを取る「イラブー汁」など、料理にも用いられます。

 

ヒロオウミヘビ

引用元

成体で全長70~120cm。
胴体は細く、より普通の陸性蛇に似ます
地色は青灰色~青で黒い横帯が並び、この黒帯は青帯と同じ幅かそれよりも幅が広くなります。この点でエラブウミヘビやアオマダラウミヘビとある程度見分けがつきます。
夜行性ですが、それ以外の食性などはエラブウミヘビとほぼ同じのようです。

 

アオマダラウミヘビ

引用元

成体で80〜150cmと、比較的大型種になります。

エラブウミヘビやヒロオウミヘビのように青~灰青色の地色に黒い横帯がありますが、黒の幅は青よりやや狭くなります。さらに頭頂部と目の後ろは黒く、唇を覆う口先の鱗は淡黄色であることから、他と区別しやすいです。
食性は魚食性で細長い魚(ウツボやアナゴ)を好みますが、行動は上記2種と似ます。
クロガシラウミヘビ

引用元

成体で80〜140cmになります。

体色は淡黄色の地色に黒い横帯。マダラウミヘビとよく似ていますが、頭部が全体的に黒いことから判別できます。
食性は魚食性で細長い魚(ウツボやアナゴ)を好み、昼行性で完全水棲。陸に上がることはりません。

 

イイジマウミヘビ

引用元

成体の体長は50〜90cmで、やや太い体型をしています。
体色は淡黄色で黒い横縞が入りますが、黒の横帯の境界線は不明瞭でしばしば色のかすれた鱗があります。
歯は退化し、唇が硬くなっています

生きた魚ではなく岩についた魚卵などを主に捕食します。こちらも昼行性、完全水棲で陸に上がることはありません。

 

セグロウミヘビ

引用元

成体で体長60〜90cmと、やや小型の種類。
背が黒く、腹面は黄色もしくは淡褐色になります。
陸に上がるとすぐに死んでしまいますが、潜水能力と遊泳力は他のウミヘビに比べても発達しており、ヘビの中で唯一の外洋性です。

魚類を好んで捕食していて、ウミヘビの中では比較的気性の荒い種類として知られています。

出雲地方では龍蛇様として奉られています。

 

マダラウミヘビ

引用元

成体で体長110〜180cm近くにまで成長するウミヘビ最大種です。
黄褐色の地色に黒色の横帯が入っていて、頭部は全体的に黒っぽくなります。
魚食性で、こちらもウミヘビの中では気性の荒い種類です。

 

クロボシウミヘビ

引用元

成体で体長80-90 cm。
背面は黄白色の地色に黒い横帯が入ります。この横帯模様は腹の辺りで細くなり途切れるため腹面は白くなります。また口周りは白く、頭頂部は黒っぽくなります。

魚食性・水棲で海底が砂地の沿岸付近に生息します。

 


ウミヘビの毒について

ウミヘビの毒が強いのは有名ですよね。一説によるとハブの80倍の猛毒を持つと言われています。

実際、ヘビの中でも最強レベルに強いと断言できるほどの毒性の強さです。

致死量で見た世界のヘビの毒の強さランキングでも、上位10種のうち半数をウミヘビが占めています。


成体の毒牙(引用元)

ウミヘビはコブラ科に属する種類のヘビですが、これらのヘビの毒は神経機能に作用する神経毒を持ちます。

神経毒による症状としては呼吸困難、筋肉痛、運動障害、最悪の場合には心臓麻痺などにより死亡するケースも知られています。

 

噛まれた場合の処置としては、

  1. 応急処置として負傷箇所より心臓に近い場所を紐などで縛る
  2. 口で毒を吸い出す
  3. その後直ちに医療機関へ行き、処置を受ける

といった処置が必要です。

パニックに陥らず、できるだけ冷静に対処するようにしましょう。

 

 


ウミヘビは危険なのか

 

さて、ウミヘビの毒の強さは周知の事実で上記でも説明した通りですが、実際ウミヘビが危険なのかと言われると、そうでもありません

ウミヘビの性格は本来臆病で、自分から積極的に噛み付いてくることはほぼ無いのです。

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ハブやマムシの毒牙が管状で毒が注入しやすいのに対し、ウミヘビやコブラの毒牙は完全な管状ではなく、毒の注入は確実ではありません

さらにウミヘビの毒牙は2〜3mmと短いため、1回の噛みつきで毒を注入するのは難しいようです。

 

 

ウミヘビによる被害は
陸上で誤って踏んだ時
船の上で漁の網にかかったウミヘビを外す時

この2つが主な理由で、泳いでる最中の事故やいきなり咬みつかれるといった事故はほぼありません。

つまり毒の強さと危険性が必ずしも一致する訳では無いということですね。

沖縄などでは食用として利用されたり、出雲地方では神聖な蛇として敬われるなど、温暖な地域では古くから馴染みのあるウミヘビ。

説明したように臆病で大人しい性格とはいえ、毒の強さはホンモノです。

普通の蛇より危険性は少ないかもしれませんが、むやみに触ったりちょっかいを出すようなマネは避けた方がいいかもしれませんね。